逆目の紙で製本した場合の失敗談

A5サイズの仕上がりの本を印刷製本したときの失敗談をお話したいと思います。仕上がりがA5ということは普通A4サイズに2ページを配置して印刷します。その場合当然A4サイズの普通の紙を使って印刷したのですが、製本して納品したらお客様から紙が抜けるとのクレームをいただきました。早速返品していただいて紙が抜けた本をいろいろ検証したのですが、製本の糊が少ないとか、ちゃんと製本されていなかったのではないか?と、しかしなかなか原因がわかりません。そしていろいろ知人に相談したところ紙の目が逆である事に気が付きました。プロとしては失格です。以前お話した様にA4サイズの紙は縦方向の297ミリ方向へ目があります。このA4サイズをそのまま印刷した場合、目が逆なので製本の喉の部分に負担がかかってしまったのです。それで紙が抜けやすくなってしまった事がわかりました。解決の方法は一つ。A3の紙を断裁してA4にして、紙の目をA4を縦にして横方向つまり210ミリも短い方向に目がなります。それで製本すると、本をめくりやすくなり、A5の本を縦にもって縦方向に目があるため喉の部分の製本部分に負担がいかなくなりました。紙の目はそれほど重要だと本当に反省した次第です。半田 勉

2020年11月04日